金融商品には、株式や債券、投資信託など、さまざまな種類があります。
それぞれメリットとデメリットがあり、大きな収益を得られるものには、それなりにリスクを伴います。
金融商品のうち投資信託は、運用を投資の専門家に任せるので、元本割れをする可能性はありますが、株式よりもリスクは低めで、投資の初心者には比較的始めやすい金融商品です。
投資信託は、運用会社が開発する金融商品で、銀行や証券会社などの販売会社で購入することができます。
投資家から支払われた申込金は信託銀行に集められ、信託銀行は運用会社の指示に基づいて運用を行います。
運用会社は、決算ごとに運用報告書を発行します。
投資信託は、運用によって得られた利益を投資家に分配する「分配金」と、投資信託を換金することで生じる「譲渡金」の2種類の利益が生じます。
なお、投資信託を購入した時よりも基準価額が下落したときに換金すれば、「譲渡損」になります。
投資信託によって得られた利益には、所得税と住民税を合わせて20.315%の税金が課税されます。
株式や投資信託などの金融商品を運用して得た利益には、所得税や住民税が課税されます。
NISAは、専用の口座内で一定の範囲内で購入した金融商品から得られた利益には、税金がかからなくなる制度です。
NISAには、一般NISA 、つみたてNISA、ジュニアNISAがあり、一般NISAは平成26年1月から、つみたてNISAは平成30年1月から、ジュニアNISAは平成28年4月から制度が開始されました。
一般NISAは、毎年120万円分の非課税投資枠があり、この範囲内で購入した金融資産によって得られた利益については、購入した年から5年間は課税されません。
120万円×5年間で最大600万円、非課税で保有することができます。
ただし、その年に未使用の非課税枠があったとしても、これを翌年以降に繰り越すことはできません。
一般NISAは、株式・投資信託やREITなど、多くの金融商品が対象になります。
つみたてNISAは、毎年40万円分の非課税投資枠があり、この範囲内で購入した金融資産によって得られた利益については、購入した年から20年間は課税されません。
対象となる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託などに限られます。
ジュニアNISAは、毎年80万円の非課税投資枠があります。
一般NISAやつみたてNISAと違い、未成年者しか口座を開設することができません。
また18歳までは、災害等やむを得ない場合を除いて原則として払出しをすることができません。
NISA口座は、1人につき1口座しか開設することができません。
またNISA口座内で、一般NISA又はつみたてNISAのどちらか一方を選択することになります。
令和5年度の税制改正によって、NISA制度が令和6年から抜本的に拡充・恒久化されることになりました。
新しいNISA制度では、従来の「一般NISA」、「つみたてNISA」が廃止され、「つみたて投資枠」、「成長投資枠」になります。
ただし、令和5年までに従来の制度で投資をした商品については、新しいNISA制度とは切り離して、従来の制度における非課税措置が適用されます。
なお、従来の制度における非課税期間が終了した後に、保有している金融資産を新しい制度の非課税投資枠に移すこと(ロールオーバーといいます)は、できません。
新しいNISA制度は、つみたて投資枠と成長投資枠を併用することができます。
年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円で成長投資枠が240万円なので、合計で年間360万円まで投資をすることができます。
非課税で保有できる限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1800万円までで、そのうち成長投資枠については1200万円になります。
この金額は、買付残高(薄価残高)で管理されます。
従来のNISAでは、一度利用した非課税枠は、金融商品を売却しても再利用することはできませんでしたが、新しいNISA制度では、金融商品を売却すると非課税枠を再利用できるようになります。
非課税保有期間が無期限になることから、定期的に利用者の住所などを確認して、制度の適正な運用を担保することや、非課税保有限度額についての情報を国税庁が管理する制度も設けられます。
また、従来のNISAを利用している人については、新制度の開始時に新しい口座が自動的に設定されるなど、新制度の手続きが複雑にならないように手当てされます。
ジュニアNISAについては、令和5年で終了になります。
従来のジュニアNISAで投資した商品については、非課税期間が終了した後は自動的に継続管理勘定に移管されて、18歳になるまで非課税で保有することができます。
従来のNISAと新しいNISAの比較