テレビや雑誌で高齢者関係の資産の話題が多いようですが、これまで以上に資産税関係(譲渡所得、相続・贈与税)の相談も増えているようです。
そこで、今回は身近な問題を取り上げ、ポイントを簡単に整理してみます。
Q. 所有していた土地を5000万円で譲渡しました。その際、未経過固定資産税等を8万5000円受け取り、租税公課のマイナスとして処理しています。何か、問題はありますか。
2. 合計所得金額による判定
Q.令和3年中に自宅を譲渡しましたが、居住用財産を売却した場合の3000万円控除の特例を適用したところ課税分離譲渡所得金額が0円(特別控除前の所得金額2800万円)であったため、基礎控除を適用しました。この後、問題が生じることはありますか。
3.重複適用できない特例
Q.令和2年に自宅を譲渡し、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除を適用して申告をしました。その後、令和3年に新たに自宅を取得して居住を開始し、令和3年分の確定申告で住宅借入金等特別控除を適用して申告しましたが、問題はないでしょうか。
A. 租税特別措置法は、重複して適用できないことがありますので、適用を受けるには注意が必要です。特に譲渡所得の特別控除と住宅借入金等特別控除は、資金の流れから関係性が深く、誤りやすいところなので十分な注意が必要です。
新築等をした家屋を居住の用に供した個人が、下記の期間において、その家屋以外の家屋(それまで居住していた家屋など)について、居住用財産の譲渡の特例の適用を受けている又は受ける場合は、その者の居住年以後の各年分について、住宅借入金等特別控除を適用できません。※令和2年4月1日以後に譲渡した場合…その居住の用に供した年とその前2年・後3年の計6年間
なお、ご質問のケースの場合、住宅ローン控除の方が有利と後で気づいた場合でも特別控除を受けない修正申告はできず、住宅ローン控除の適用を取り消す修正申告をすることになります。
Q. 昨年父が亡くなり、相続人は母と子供が3人です。当初法定申告期限までに遺産分割協議を済ませて申告してあります。しかし、最近になって長男が母の面倒を見ないと言い出したため、相続人間で話し合った遺産分割協議をやり直し、再分配することになりました。このような遺産分割のやり直しは課税上問題ありませんか。
2. 未支給年金
Q. 先日母が亡くなり遺産等を整理すると、生存中の期間に係る国民年金で、母の死亡日現在未支給のものがありましたので年金事務所に請求して、未支給分を一時金として受け取りました。この未支給分は、相続財産として相続税の課税財産になりますか。
3. 名義預金
Q. 本年3月に亡くなった父が、わたしの名義で預金をしていました。父が管理していた預金ですが、このような預金は相続財産の算定上どのように考えたら良いのでしょうか。
4. 特別縁故者の取扱い
Q. ボランティアのCさんは身寄りのない老人のお世話をしていました。老人には、相続人等がいないため、自分が亡くなったら財産をCさんにあげると言っていましたが、遺言はなく去年亡くなりました。周囲の勧めもあって家庭裁判所に特別縁故者への相続財産の分与請求の申立てを行っていたところ、本年4月にその請求が認められ、相続財産の分与を受けられました。この場合、課税関係はどうなりますか。