会社が使用人や役員に何らかの経済的利益を与える場合に、その取扱いが現物給与に当たるか迷うことがあります。
そこで、今回はよくあるケースをQ&Aも交えて整理してみます。
会社が永年勤続した役員又は使用人の表彰に当たり、その記念として旅行、観劇等に招待し、または記念品を支給することによりその役員又は使用人が受ける経済的利益については、一定の要件のもとに課税しなくて差し支えないものとされます
(図表1)
なお、永年勤続記念品等として、旅行ギフト券を支給する場合がありますが、一般に、旅行ギフト券は有効期限もなく、所定の手数料を支払えば換金が自由であり、実質的に金銭を支給したのと同様であることから、原則として、給与等として課税されます。
ただし、その旅行ギフト券を交付してから相当の期間内(おおむね1年程度)に旅行をし旅行代金の精算を行い、その旅行の事実を確認できる書類を備えている場合など旅行に招待したものと実質的に変わりがない場合については、課税しないで差し支えないこととされています。
使用人のうち勤続20年以上の永年勤続者に対して、次のようなものを支給した場合、給与として課税されますか。
会社が役員又は使用人に対して創業記念、増資記念、工事完成記念又は合併記念等に際し、その記念として支給する記念品は、一定の要件に該当すれば、課税しなくて差し支えないものとされています。
(図表2)
なお、図表2の⑤の処分見込価額により評価した金額が1万円以下かどうかの判定は、処分見込価額から消費税及び地方消費税の額を除いた金額で行います。
ただし、建築業者、造船業者等が請負工事又は造船の完成等に際し支給するものについては、給与等として課税されます。
当社は、本年で創立30年になります。これを記念して全社員に記念品を贈りたいと考えていますが、どのような取扱いになりますか。
また、取引先にも記念品を贈るとどうなりますか。
会社が役員又は使用人に対し自己の取り扱う商品、製品等(有価証券及び食事を除く。)の値引販売をすることにより供与する経済的利益で図表3に示す要件を満たすものは、課税しなくて差し支えないものとされています。
なお、高額な商品、例えば不動産などについては、次の理由から値引販売の対象とはされません。
(図表3)